アンドリュー・カーネギーの『ビリオネア養成講座』

アンドリュー・カーネギーの『ビリオネア養成講座』(CD付)は、ナポレオン・ヒルが「成功哲学」をまとめる原点となったアンドリュー・カーネギーへ行った最初のインタビューを再現した書籍(CD付)である。

 

ナポレオン・ヒルによる鉄鋼王として成功を遂げたアンドリュー・カーネギーに対するインタビュー形式の書籍となっている。

 

ナポレオン・ヒルの知的な質問に対して、アンドリュー・カーネギーがいかにしてビジネスに成功し、富を得たのかという重要な成功哲学を語っている。

 

本書は、下記の2章から構成されている。

 

 第1章は「明確な目標を設定する」
 第2章は「マスターマインド」

 

加えて、「明確な目標設定シート」が付属している。

 

第1章では、「明確な目標」を掲げ成功するにあたって大切なのは、「積極的な心構え」「実行に移す」ことだと述べている。

 

印象的だったのは、「明確な目標が、物や金銭として実体化するのにかかる時間は、それに相当する仕事、またはそれと等価なものを差し出すのに要する時間によって決まる」というところ。

 

所謂、「原因と結果の法則」とともに「代償の法則」を重要視しているところだ。

 

「明確な目標」は法則だと言い、「明確な目標」の法則は、成功を目指す全ての人に不可欠だ。この「明確な目標」の法則には不変の価値があり、毎日の習慣にしなければならないという。

 

「明確な目標」を文章化し、毎日1度は読み上げる習慣化(アファメーション)である。

 

第2章では、(月並みでない)大きな目標を達成するためには「マスターマインド」は欠かせないと述べている。

 

「マスターマインド」とは、ある明確な目標を達成するために、知識や脳力を結集し、完全な調和をもって働く、二人以上からなる協力者グループ」のこと。

 

ここでも、メンバーひとりひとりの「心構え」「協調性」そして「動機」が大事だと述べている。

 

この「マスタ―マインド」によって企業を大きく成長させた事例は多い。

 

日本での有名どころは以下。

企業名 コメント
松下電器 高橋荒太郎は、松下幸之助から経営改革のすべてを任された。
ソニー 井深大は主に開発系を担当し、盛田昭夫は主に営業系を担当した。
ホンダ 本田宗一郎は技術に専念し、経営全般を藤原武夫に任せた。

 

海外での有名どころは以下。

企業名 コメント
マイクロソフト ビル・ゲイツは、組織の代表と技術面を担当し、スティーブ・バルマーは経営全般を担当した。
アップル スティーブ・ジョブズは開発と製品発表を担当し、スティーブ・ウォズニアックは経営全般を担当した。
ディズニー 弟のウォルト・ディズニーは創造的な分野を得意とし、ロイ・ディッズニーは財政面で会社を安定させた。
スターバックス ハワード・シュルツは経営全般を担い、オーソン・シミスに組織運営のすべてを任せた。
グーグル ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは共に優秀なエンジニアであるが、得意分野で補完し合った。

 

本書は、ページ数こそ100ページ足らずと多くはないが、実績に裏付けされた機知に富んだ啓発的な一書である。