継続は「力」か「悪」か?その違いは何か?

「継続は力なり」という言葉があるが、
一方では「継続は悪である」という言葉もある。

 

「継続は力なり」は、努力論であり、
「継続は悪である」組織論や仕組みの在り方を言う。

 

ここでは、組織論として、「継続は悪である」、無駄は仕事の中にこそある!!
について述べてみたい。

 

御存知の方も多いと思いますが、軽自動車メーカであるスズキの鈴木修会長とコネクター専業メーカであるヒロセ電機の酒井秀樹会長(故人)には2つの共通点が見受けられた。

 

一つ目は「経営資源を最も効率的に使い、最大の付加価値を生むこと」
そして二つ目は「継続は悪である」という信念です。

 

付加価値を生む仕組みを一旦作っても廃れるのは早い。
同じ事を漫然と続けていては衰退する。
企業が常に価値を創出する組織であるためには、絶えず改革を続けていく必要がある。
そして、「新製品は必ず競合メーカが現れ価格が下がる。開発に苦労したからと、情に流され、生産を継続するのは資源の多大な浪費」だという。

 

これは、まさに「継続は悪である」ということと、「無駄は仕事の中にある」ことを意識されていたように思われる。

 

また、「大量生産は、大量の無駄を含んでいる」という言葉がある。

 

私達がこれまで有益だと信じていた仕事やそのやり方の中に、実は無駄が多く含まれているということです。

 

一般的に、人や組織は変化を嫌う。よくあることではあるが、これまでこれでやってこれたのだから変える必要はないと思ってしまう。
これがまさに無駄な時間、お金、資源を使い続けていくことになる。

 

実は、人が一番無駄に時間を使うのは、無益なことにおいてではなく、
自分が有益だと信じていることの中にある。

 

価値があること、値打ちがあることをしていると自分では思っていることの中に、一番無駄があるということです。

 

これは自分で考えてみるとよくわかります。
私達が後悔するのは、人生の大部分を占めている仕事や、これまで学んできた勉強そのものの中、即ちその仕事や勉強の中に「実り少なかった」という、その事実に一番多くの後悔があるのではないでしょうか。

 

 (1) 無駄な仕事をなくすこと
   ・仕事は増える傾向にあり、時々大胆な整理が必要になる。
 (2) 常に仕事の必要性を見直す
   ・そもそもその仕事が必要なのか。
   ・常に付加価値の高い仕事を探す。

 

まず、無駄な仕事をなくすこと。

 

仕事そのものが無駄である場合が多い。
そして、大きな組織になるほど無駄な仕事が多くなる(パーキンソンの法則)。
無駄な仕事をやめてもっと付加価値の高い仕事をさがすことが大切である。

 

仕事は、努力だけでは駄目で、価値の創造や付加価値の向上など、成果に結び付かなければ意味がありません。
常に、成果の測定をし、改善していく努力をしていかなければ、無駄な仕事が多く発生してしまいます。

 

私たちも、「継続は悪である」「無駄は仕事の中にこそある」ことを意識して、自分達の仕事を見直してみようではありませんか。

 

「成功体験」や「成功法則」なども環境が変われば使えなくなります、時代の環境に合わせて自らや組織を変革(イノベーション)する勇気と実行力が求められます。